経理業務とは?業務内容やフロー、効率化する方法をわかりやすく解説

経理業務とは、企業の日常的な取引を記録し、財務状況を正確に報告する重要な業務です。
会社のお金の流れを全体的に把握するための「会計業務」や、資金調達や資産運用、投資など、企業の将来の資金計画を立てる「財務業務」とは、しばしば混同されることがあります。
本コラムでは、経理業務の基本から会計・財務との違い、経理の具体的な業務フローについて詳しく解説します。

目次
1.経理業務とは
2.主な経理業務の内容一覧
3.経理の業務フローをご紹介
4.経理業務を効率化するには
5.まとめ

経理業務とは

はじめに、経理業務とは何かについて解説します。

●経理とは
経理の主な役割は、企業の日常的な取引を記録し、そのデータをもとに財務状況を報告する書類を作成することです。具体的な業務には、日々の売上や仕入れの管理、給与や保険の計算、税金の計算、そして決算書の作成が含まれます。これらの業務を通じて、経理は企業の経営陣に対して財務状況を正確に報告し、経営判断に必要な情報を提供します。経理の仕事は地道でありながらも、企業の基盤を支える重要な役割を担っています。

●会計業務と経理業務の違い
経理と会計はしばしば混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持っています。会計とは、企業の全体的なお金の流れを把握するための業務であり、財務会計と管理会計の二つに分けられます。財務会計は主に外部の利害関係者に対して企業の財政状態を報告することを目的とし、管理会計は経営者が内部の経営状況を把握するためのものです。

一方、経理はこれらの会計業務を支えるために、日々の取引を記録し、月次・年次の報告を行います。つまり、経理は会計の一部を担っていると言えますが、企業によっては経理と会計を明確に区別せず、一人の担当者が双方の業務を兼任することもあります。

●財務業務と経理業務の違い
経理と財務もまた、異なる目的と役割を持っています。財務の主な業務は、資金調達や資産運用、投資など、企業の将来の資金計画を立てることです。財務担当者は、経理が作成した決算書や事業計画をもとに、企業の資金調達や投資戦略を企画します。

経理が現状の資金の流れを管理し、企業の財務状態を把握するのに対し、財務は未来の資金の動きを計画し管理することに重点を置いています。企業によっては、財務専門の部門を設置することもありますが、しばしば経営者が財務業務を兼任することもあります。

このように、経理業務は企業の運営において基盤を支える役割を果たしており、会計や財務と密接に連携しながら、企業の持続的な成長を支援しています。

主な経理業務の内容一覧

経理業務の内容は「日次業務」「月次業務」「年次業務」の大きく三つに分かれます。
以下に、主な経理業務の内容を詳しく解説していきます。

●日次業務
日次業務は、毎日行われる業務で、企業の財務状況を正確に把握するための基本的な作業が含まれます。具体的な業務内容は以下の通りです。

預金・現金管理
預金管理は、預金口座の入出金を確認し記録する作業を含みます。具体的には、口座や小切手、手形の管理、預金利息の会計処理、帳簿と実際の口座残高の照合などが挙げられます。一方、現金管理では、金庫内の現金を確認し、現金出納帳の作成や金庫への補充・引き出し、現金出納帳と帳簿の照合を行います。

帳票への記入
日々の取引を伝票や帳簿に記録します。伝票は取引の詳細を記載する書類であり、帳簿はこれらの伝票をまとめたものです。これらは、損益計算書や貸借対照表といった財務諸表の作成に役立ちます。

経費精算
経費精算では、従業員が立て替えた業務上の費用を精算します。経理担当者は、経費申請書類と領収書を確認し、仕訳を行い、経費を払い戻します。

給与計算
社員に支払う給与を算出します。勤怠状況や各種手当に基づき、総支給額と手取額を計算します。

社会保険などの納付
給与から差し引かれる健康保険料、厚生年金保険料、源泉所得税などの保険料を徴収し、納付します。

●月次業務
月次業務は、毎月行われる業務で、企業の月次決算をサポートするための重要な作業が含まれます。

買掛金・売掛金の管理
買掛金は未払いの仕入れ代金、売掛金は未収の販売代金に関する管理です。買掛金では請求書をもとに振替伝票を作成し、帳簿に記録します。売掛金では請求書を発行し、入金を確認して入金消込を行います。

領収書・請求書の発行
取引先に対して、納品した商品やサービスの代金を請求する請求書を発行します。また、取引先からの代金受領を証明する領収書を発行します。

在庫管理
棚卸資産の在庫を管理し、実地棚卸を実施します。これにより、会計処理の正確性を確保します。

賞与計算
社員に支給する賞与の算定基準に基づき、控除する保険料や税金を計算し、手取額を算出します。

年末調整
年末調整では、社員の所得税を調整し確定させます。提出された書類のチェック、年末調整の計算、支払調書の作成・提出を行います。

●年次業務

償却資産の実査
固定資産の実態を確認し、台帳の記載内容を更新します。償却資産税の申告に必要な作業です。

決算書の作成・確定申告
決算書を作成し、法人税額を計算します。決算日の翌日から2か月以内に確定申告を行います。

各種税金の納付
法人税、法人住民税、法人事業税、消費税、地方消費税、地方法人税などを納付します。納付期限は決算日の翌日から2か月以内です。

経理の業務フローをご紹介

続いて、経理業務のフローについて詳しくご紹介します。

売上や収益の確認と記録
売上データの収集・記録、請求書発行状況の確認。

仕入や経費の確認と記録
支払済み・未払いの仕入や経費を確認し、正確に記帳。

月次決算の準備
勘定科目ごとの仕訳処理や残高確認を実施。

入金・出金の管理
口座の入出金記録と突合、未回収債権や未払い債務の確認。

給与計算と支払い
社員の給与や賞与の計算、源泉徴収税や社会保険料の処理。

各種帳票の作成
売上台帳、仕入台帳、経費台帳、現金出納帳の作成・更新。

税金の申告・納付準備
源泉所得税、消費税などの月次確認と申告・納付(必要に応じて)。

固定資産や減価償却の計上
固定資産台帳を確認し、当月分の減価償却費を計上。

取引先への請求書発行と管理
月次締めのタイミングで請求書を発行し、取引先ごとの入金状況を管理。

月次報告書の作成
経営陣や関連部署向けに、損益計算書や貸借対照表などの月次報告書を作成。

帳簿の照合と修正
資金繰り表や帳簿を確認し、必要に応じて修正や調整を行う。

経理業務を効率化するには

経理業務の効率化は、企業の業務全体の生産性を向上させるために不可欠です。特に、手動での入力や確認作業が多い経理業務は、人的ミスが発生しやすく、時間と労力を大幅に消費します。
最後に、経理業務の効率化させるポイントを解説します。

●会計ソフトの導入
会計ソフトを導入することで、日々の取引データを自動的に集約し、処理することができます。これにより、データ入力の手間を大幅に削減し、リアルタイムでの財務状況の把握が可能になります。また、クラウドベースの会計ソフトを利用することで、どこからでもアクセスでき、複数の担当者が同時に作業を行うことができるため、業務の効率化がさらに進みます。

●電子文書管理システムの利用
紙ベースでの管理は、スペースと時間を浪費しがちです。電子文書管理システムを導入することで、文書の電子化が進み、データの検索や共有が容易になります。これにより、必要な情報を迅速に取得できるため、業務のスピードアップにつながります。また、セキュリティ面でも、アクセス制限やバックアップ機能を活用することで、情報漏洩のリスクを軽減できます。

●キャッシュレス化
キャッシュレス化を進めることで、支払業務の効率化が図れます。電子送金や自動振替の導入により、支払サイクルが短縮され、処理漏れのリスクも軽減されます。さらに、支払履歴が自動的に記録されるため、後からの確認作業も容易になり、経理担当者の負担を軽減します。

●販売管理システムで一連の管理を統一
販売管理システムを活用して、経理部門だけでなく、全社的な業務を一元管理することが重要です。これにより、データの転記ミスや数字のコピーエラーを防ぎ、正確なデータ管理が可能になります。システム間の連携を強化することで、情報の一貫性を保ち、意思決定の迅速化にも寄与します。

●経理業務を外部委託する
業務量が多く、自社での対応が難しい場合は、経理業務を外部に委託することも検討する価値があります。プロフェッショナルな外部業者に委託することで、業務の精度向上やコスト削減が期待でき、社内リソースをコア業務に集中させることが可能です。

まとめ

この記事では、経理業務について詳しくご紹介しました。
経理業務を効率化する方法やツールはさまざまですが、まずは自社の経理業務での課題を明確にしましょう。その課題に沿って対策をしていくことで、最適な方法で経理業務を効率化することができます。

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