経理のテレワークが進まない3つの壁と解決策|ペーパーレス化・システム導入で実現
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、テレワーク化が進む中、経理のテレワークはなかなか進まないと言われております。
実際、弊社にも出社を余儀なくされている経理・総務担当の方から多くのお問い合わせをいただきます。
紙ベースの業務や社外からシステムへのアクセス等、様々な課題がありますが、解決策はないのでしょうか。
本コラムでは、経理のテレワークについてメリット・デメリットや課題の解決策についてご紹介してまいります。
1. 経理テレワークを阻む「3つの壁」とは?
経理のテレワーク化が進まない背景には、大きく分けて3つの壁が存在します。
壁①:【システムの壁】会社に行かないとシステムが触れない
壁②:【紙・ハンコの壁】請求書や経費精算がペーパーレス化されていない
壁③:【出社の壁】入金・支払い処理で出社が必要
壁①の「会社に行かないとシステムが触れない」というのは、社外から会社のシステムへのアクセスが制限されているケースです。
今では多くのクラウド型サービスがあり、社内・社外からもアクセスできますが、昔から使用しているシステムの場合、社外からのアクセスが制限されていることがあります。そのため、テレワークに移行できず出社を余儀無くされているのです。
また、テレワーク化の妨げになっている業務といえば、請求書や経費精算などではないでしょうか。
働き方改革によって電子帳簿保存法の改正が行われ、国としてもペーパーレス化が推奨されています。
請求書の印刷・捺印・郵送という従来の方法を変えることが難しく、ペーパーレス化に切り替えることができない企業様も多いようです。
請求書に関しては発行だけではなく取引先から送付される請求書の受け取りもあります。
郵送されたものを受け取るためや取引先への入金を行うために出社が必要ということも、テレワーク化が進まない要因です。
2. 『3つの壁』を乗り越える具体的な解決策
解決策①:クラウドシステムの導入で「システムの壁」を解消
この壁を乗り越えるには、社外からもアクセス可能なクラウド型会計システムの導入が最も効果的です。サーバー管理が不要で、PCとネット環境さえあれば場所を選ばず業務を行えるため、在宅勤務の従業員でもオフィスにいるのと同様に実務に取り組めます。VPN接続も有効ですが、常時使用する場合はクラウド型の方が安定性・効率性の面で優れています。自社のIT部門だけで導入設定を進めるのが難しい場合は、専門のコンサルティング会社から支援を提供してもらうのも良いでしょう。
解決策②:請求書発行・経費精算システムの導入で「紙・ハンコの壁」を解消
請求書の印刷・捺印・郵送や、紙の領収書による経理業務は、ペーパーレス化によって解決します。この取り組みの目的は、単なるコスト削減に留まりません。電子請求書発行システムやクラウド経費精算システムを導入すれば、申請から承認、財務データへの反映、保管まで全てデジタルで完結します。例えば、従業員は外出先からスマートフォンで領収書を登録し、経費申請を完了させることが可能です。これにより、バックオフィス全体の生産性改善に繋がります。
解決策③:キャッシュレス化とネットバンキング活用で「出社の壁」を解消
事業を運営する上で避けられない取引先への支払いや、小口現金の管理も出社の原因です。これらの課題を解決するため、キャッシュレス化を実施しましょう。法人用クレジットカードや交通系ICカードの利用を推進し、支払いをキャッシュレス化します。また、総合振込などを活用できる法人向けネットバンキングに切り替えることで、振込業務のための出社も不要になります。特に海外送金が多い業種では、手数料が高い窓口手続きからネットバンキングに切り替えるメリットは大きいでしょう。
これらのツールを導入する際は、利用範囲やルールを明確に設定し、従業員へのサポート体制を整えることが、経営判断として重要になります。
3. 経理テレワークがもたらす3つのメリット
以上のように様々な課題はありますが、経理がテレワークを行うことでメリットがあります。
メリット①:ペーパーレス化の促進
テレワークには紙ベースの書類等を電子化することが必須です。電子化に伴い紙の使用量や印刷の費用が減り、経費削減に繋がります。
また、環境保全への取り組みにもなります。紙の資源である森林伐採が大きな問題となっており、現在の気候変動にも大きく関わっています。
紙の使用量を減らすという小さな取り組みでも、環境保全へ貢献できるのです。
メリット②:生産性の向上
例えば請求書の場合、今までは請求書の印刷・押印・郵送の準備がありました。この業務をテレワークで行う場合は電子化されるので、印刷や郵送準備等の工数が削減されます。また、請求書の控えをファイリングしていると、保管場所の確保や探したい時になかなか見つからないという手間が発生しますが、電子化されれば保管場所も関係なく検索も容易になるのです。
メリット③:人材の確保
社会全体の問題の一つに労働人口の減少が挙げられています。中でも経理は深刻な問題です。
労働人口の減少は単に人口が減っているだけでなく、育児や介護の両立の課題や心身の不調により出社することが難しく退職を余儀なくされている方も含まれます。テレワークを行うことができれば、育児や介護との両立や出社が難しい方も退職せず働き続けることができるのです。
4. 導入前に確認すべき注意点と対策
次に経理のテレワークを導入する前に確認すべき注意点と対策を見てみましょう。
情報漏洩のリスクとセキュリティ対策
重要な情報を扱う経理業務を社外から行うことは、情報漏洩のリスクもあります。持ち出し可能なノートパソコンやタブレットなどのデバイスの管理、ウイルスの脅威から情報を守るための対策など、社内の運営ルールの見直しや管理の徹底が必要です。
テレワーク環境の整備とルールの明確化
自宅で仕事ができるようにパソコンやネット環境を整えることも必要です。社外からシステムにアクセスが制限されている場合は、VPN接続ができるよう準備を行うことも必要でしょう。もしくは、クラウド型のサービスに切り替えることも検討すべきかもしれません。
法改正への対応(電子帳簿保存法・インボイス制度)
テレワーク化で導入するシステムは、最新の法制度に対応していなければなりません。
検討中の請求書発行システムや経費精算システムが、電子帳簿保存法の要件を満たし、インボイス制度に対応しているかを必ず確認しましょう。これにより、法対応とテレワーク化を同時に進められます。
5.まとめ
日本は感染症以外にも自然災害という脅威にさらされているので、いつでもテレワークができる体制を整えることは決して無駄ではありません。
まずはオフィス勤務とテレワークを掛け合わせた「ハイブリット型」から始めてみるのはいかがでしょうか?
経理のテレワークを行うためには従来の運用ルールを見直しすることも必要です。一から再構築することは大きな手間となるため、パッケージ型システムの導入もおすすめです。
弊社システムADMANを使用しテレワークをされている企業様もいらっしゃるので、ご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
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