予算管理とは?
種類や目的、効果的に予算管理を行う方法をご紹介
多くの企業では、設定した予算を達成できるよう日々業務に邁進していることと思います。しかし、予算を達成するための管理方法は十分なのでしょうか?
本コラムでは予算管理の目的をおさらいし、効果的に予算管理を行う方法をご紹介します。
1.予算管理とは
まず「予算」とは、利益目標を達成するために売上や経費がどのくらい必要なのかをあらかじめ設定することです。
「予算管理」とは、設定した予算(目標)に対し、実績と乖離していないか確認し、利益目標を達成できるよう管理を行うことです。
企業は利益を上げることが求められます。利益が出ない状態だと企業は継続していくことが難しくなります。利益が出ていない、あるいは損失がある場合に原因を明らかにするためにも予算管理が必要です。
2.予算管理と予実管理の違いとは?経営管理・予算統制との関係を解説
予算管理について理解を深めるうえで、「経営管理」「予実管理」「予算統制」といった関連用語との違いを整理しておくことは非常に重要です。ここでは、よく混同されがちなこれらの用語と予算管理との定義の違いについて解説します。
2.1 経営管理と予算管理の違い
経営管理とは、企業が経営目標を達成するために、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を総括的に管理・調整することを指します。 これに対し、予算管理は主に「カネ(数値目標)」の側面にフォーカスして管理を行うものです。つまり、経営管理という大きな枠組みの中に、その手段の一つとして「予算管理」が含まれているという関係性になります。
2.2 予実管理と予算管理の違い
予実管理とは、その名の通り「予算」と「実績」を比較し、その差異(ズレ)を管理・分析することです。 言葉の定義としては非常に似ていますが、予算管理が「予算の策定から、実行、分析、対策」までの一連のPDCAサイクル全体を指すのに対し、予実管理は特に「結果の比較・分析」のフェーズに重きを置いて使われることが多い用語です。
2.3 予算統制と予算管理の違い
予算統制は、予算と実績のズレが生じないように統制(コントロール)することに主眼を置いた、やや古い概念の言葉です。「予算=守るべき絶対的な制限」というニュアンスが強くなります。 近年では、市場の変化に合わせて柔軟に資源を配分し、利益を最大化するためのマネジメントという意味合いで「予算管理」という言葉が一般的に使われています。
3.予算管理はどの部署で担当すべき?
予算管理は会社全体として行うもので、特定の部署が全て担当するものではありません。財務部、経理部、各事業部で役割分担します。部署を分けることでお金の不正を防ぎ、透明性を持った管理をする意味もあります。
<財務部>
財務部は、会社の将来のためのお金の管理をする部門です。財務戦略の立案・実行を担当するため、経理部より高い専門スキルが求められます。具体的には経理部門が作成した財務データを元に、資金調達のための手段を考えたり、金融機関との交渉などを行います。経営層への提言や、必要な財務資料の準備・作成なども重要な仕事です。
<経理部>
経理部では、現在のお金の動きを管理する部門です。各事業部からの予算管理表を集計し、売上・原価・業績を管理します。また、予算と実績の差異を確認し、原因を調査していき、財務部へ提出する資料を作成します。
<各事業部>
各事業部では、日々の予算管理表の入力を行います。経理部では部署ごとの細かい状況は把握できませんので、部署ごとに様々なデータから予算管理表を作成し、経理部へ提出します。
4.予算管理の種類
予算管理には3つの種類があります。
• 売上予算
• 原価予算
• 利益予算
売上予算
売上予算は当期中に達成できるであろうと予想した売上で、期初に設定されます。主に過去の実績を基に算出され、昨年が1億円であれば今期は1億2000万円といったように過去の実績にプラスされることがほとんどです。
売上予算を設定した時期と市場や情勢の変化により、期中でも見直しがされることも多いです。
原価予算
原価予算はサービスを提供するために必要な仕入れや稼働原価に対する数値目標です。原価を多くかけることによって素晴らしい広告ができるかもしれませんが、赤字の危険性も高まります。利益を創出するためにも原価の数値目標を設定することが必要です。
>【関連コラム】原価計算とは?目的や種類、正確かつスピーディーに行う方法とは?
利益予算
利益予算は、当期中に達成したい利益の数値目標です。利益は、売上-原価で算出されます。売上予算が未達でも原価を抑えることで利益予算を達成することもあります。
企業は利益を出すことが1つの目標でもあります。利益予算を達成するためにも売上や原価の予算を適切に管理することが重要です。
5.予算管理の目的
様々な予算管理がありますが、そもそも予算管理を行う目的は何でしょうか。
●数値目標の共有と具体的な施策の明確化
組織で目標を浸透させるためには、数値化した目標が最適です。今期の予算や部署あるいは個人の達成すべき売上目標を可視化することができます。その売上目標を達成するために具体的な施策を考え、共有、実行することが可能です。
●経営資源を効率的に配分
予算を達成するための人材・物資・費用・情報といった経営資源をどのように活用・配分を行うかの判断に役立ちます。売上・原価のバランスを取りながら、利益創出につながる施策を考えることが可能です。
●課題の早期発見
予算と実績に大きな差異が発生した場合、「施策が誤っていなかったか」といった見直しを行い、経営課題を早期に発見することが可能です。また、予算の修正を早くに取り掛かることもでき、経営の安定化にも繋がります。
6.予算管理を成功させる運用の5つのポイント
システムやツールを導入する以前に、予算管理の運用自体が適切に行われていなければ、思うような効果は得られません。予算管理を形骸化させず、利益創出につなげるための重要なポイントを5つご紹介します。
6.1 実現可能性のある予算設定を行う
予算目標は高ければ良いというものではありません。現場の実態を無視した高すぎる目標は、従業員のモチベーション低下を招き、逆に低すぎる目標は企業の成長を停滞させます。 過去の実績データや市場動向を分析し、「努力すれば達成可能である」という根拠に基づいた適正な予算(ストレッチゴール)を設定することが重要です。
6.2 予算管理の粒度(細かさ)を適切に設定する
「予算管理の粒度」には注意が必要です。勘定科目を細かく設定しすぎると、入力や集計の手間が膨大になり、運用の継続が困難になります。逆に粗すぎると、数値が悪化した際に原因を特定できません。 「経費は細かく見るが、売上は商材群ごとにする」など、自社の管理能力と分析の必要性に合わせて、無理のない粒度を設定しましょう。
6.3 PDCAサイクルを短期間で回す
予算管理は「期初に決めて期末に振り返る」だけでは不十分です。市場環境は常に変化しているため、少なくとも月次ベース、可能であれば週次ベースで予実確認を行いましょう。 早期にズレを検知することで、リカバリーのための施策(Action)を迅速に打つことができ、目標達成の確度が高まります。
6.4 期初の予算設定にこだわりすぎない
期初に立てた予算はあくまでその時点での予測に基づく計画です。市場環境の急変や予期せぬトラブルがあった場合、期初の数字にこだわりすぎると、かえって現状に即した正しい判断ができなくなる恐れがあります。 乖離が大きくなった場合は、期中であっても予算の見直しを行い、実態に即した目標へ再設定する柔軟性を持つことも大切です。
6.5 現場部門と意識を共有する
予算管理を経理部や経営層だけの業務にしてはいけません。実際に売上を作り、経費を使うのは現場の社員です。 なぜその予算が必要なのか、達成することでどのようなメリットがあるのかを現場と共有し、各部門が当事者意識を持って予算達成に取り組める環境を作ることが、予算管理成功の鍵となります。
7.エクセルで予算管理をする課題点
エクセルは社内のデータ集計や予算管理など様々な目的で使われており、最も一般的なツールと言えるでしょう。しかし、エクセルは予算管理の専用ツールではありませんので、いくつかの課題点があります。
1.集計工数が膨大で、業務負荷が大きい
予算管理は様々な部署が関わるので、フォーマットの違いや、関数の維持、バージョン管理など、集計する前のコミュニケーションコストがかかってしまいます。
2.誤入力による修正工数が多く、また確認が取れない
様々な人間が編集するため、誤入力が発生することが多いです。
また、第3者が見てもデータが正しいのかは分かりませんので、誤った状態でデータが送られてきても、受け取り側は間違いに気付きにくいです。
3.組織の拡大や縮小などの変更に対応しにくい
組織体系の変更に伴い、マスターデータに変更があった場合、一括で変更することができないため、各部署での反映に時間がかかってしまいます。
8.効果的な予算管理の方法
予算管理を効果的に行うためにはリアルタイムで情報が更新される必要があります。古い情報では正確な分析が行えず、見当違いな施策を打つことになるかもしれません。正確な予算管理を行うためにも、最新の情報を経営層が把握できる方法で予算管理を行いましょう。
その方法の1つにシステムで予算管理を行う方法があります。クラウドベースのシステムであれば、どこからでも複数人で更新することができるため、経営層は最新の情報を入手できます。
9.予算管理を行うシステム導入のポイント
それでは、予算管理を行うシステムを導入する際のポイントとは何でしょうか。
ポイント01:スムーズに予算登録が行えるか
現在、Excelで予算を管理している場合は、システムにインポートできるとスムーズに移行することができます。また、前期の予算や実績を反映できる機能があるシステムでは予算登録を効率的に行えます。
ポイント02:自社の運用に合う機能はあるか
システム化を行う際は自社の運用に合うことがマストです。そのために、どのように予算管理を行いたいのかを明確にし、それに合ったシステム選定を行います。
また、予算管理をシステム化する場合はシステム化する範囲を明確にしましょう。
仮に予算管理システムのみシステム化を行う場合は、二重入力を防ぐためにも他のシステムの連携は可能であるかを確認します。
ポイント03:予算と実績の比較が簡単か
設定した予算と実績の比較は簡単で分かりやすい方が分析を効率的に行えます。弊社がご提供している販売管理システムADMANでは、予算と実績、前年実績を表とグラフで表示することができます。直観的に現状を把握することができるため、営業会議資料にも活用いただけます。
10.まとめ
予算管理は利益を創出するために重要な管理業務です。自社に合わない方法で管理を行っていると、無駄な労力だけが消費され本来の目的を失っている可能性があります。
もし現在の予算管理に課題がある場合は、業務フローや管理方法の見直しを行いましょう。
弊社では広告業向けの販売管理システムを提供しております。予算と実績を比較できるフォーキャスト機能も搭載されています。画面や機能の詳細はデモでご紹介できます。下記よりお気軽にお問い合わせください。
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